
一言で言うと、
名鉄名古屋駅の上の大きな再開発は、工事を受ける会社が見つからず、2025年12月に延期と見直しが決まりました。着工も完成も「未定」で、名鉄は2026年度中に方向性を示すとしています。
名鉄百貨店本店は2026年2月に閉店し、建物にはヨドバシカメラが入りました。リニア中央新幹線の開業時期は、まだ発表されていません。
一方で、名古屋市は東西の駅前広場の整備を進めています。家を選ぶときは、いま決まっていることと、未定のことを分けて確かめておくと安心です。
なぜ名古屋駅で再開発が進むの?
名古屋駅のまわりでは、リニア中央新幹線の開業を見すえて、駅と街をつくり直す計画が進められてきました。名古屋市は、リニアの駅ができる東西の駅前を、乗り換えしやすく、歩きやすい空間にする方針です(名古屋市)。
名鉄名古屋駅のまわりでも、古くなった名鉄百貨店やバスセンターのビルを建て替え、駅を広げる計画がありました。ところが、建設業界の人手不足と工事費の値上がりで、計画は大きく見直されることになりました。
地図|名古屋駅まわりの計画の場所

出典:国土地理院ウェブサイト(淡色地図)をもとに愛知すまいラボ作成。位置はおおよその位置です。
①が名鉄名古屋駅と旧名鉄百貨店、②が名鉄バスセンターのあるビルです。③のJR名古屋駅の地下にはリニアの駅がつくられていて、④東側(桜通口)と⑤西側(太閤通口)の駅前広場が整備されます。
名鉄の再開発|延期と見直し
📌 名鉄の名古屋駅地区再開発(2026年10月時点)
もとの計画:2025年5月に事業化を決定。敷地約3.3ha・地上31階・高さ約172mのビルに、お店・オフィス・ホテル・駅・バスターミナル。2033年度に1期完成の予定だった
見直し:2025年11月に工事の入札に参加していた会社が辞退。工事費と工期も大きく上回る見込みになり、12月12日に延期と見直しを発表。着工・完成はすべて「未定」
これから:名鉄は「白紙にするわけではない」とし、規模を小さくすることなどを前提に検討。2026年度中に方向性を示す予定
名鉄名古屋駅を広げて、空港へ行く電車専用のホームをつくる計画も、同じく見直しの対象になっています(名鉄)。
名鉄百貨店の閉店と、その後

2026年2月に閉店した名鉄百貨店本店の建物(閉店前の様子をもとに作成)(※イメージ)
名鉄百貨店本店は、予定どおり2026年2月28日に営業を終えました。再開発が延期になったため、建物はしばらく今のまま使われます。
- 旧本館:地下1階〜4階にヨドバシカメラが入ることが2026年7月に決まり(名鉄)、2026年9月に開業したと報じられています
- 旧メンズ館:地下1階にスーパー「サポーレ」が入る予定。2026年度の冬ごろの開業予定です(名鉄)
- ナナちゃん人形:今の場所に残ります(名鉄)
名鉄バスセンターは、2026年3月で営業を終える予定でしたが、再開発の延期を受けて、今の建物で営業を続けることになりました(名鉄)。
リニア中央新幹線|開業時期はまだ発表されていない

名古屋駅で進むリニアの駅の工事(2025年1月の様子をもとに作成)(※イメージ)
品川〜名古屋のリニアは、当初の2027年開業をJR東海が2024年に断念しています。2026年7月18日、静岡県とJR東海が自然環境を守るための協定などを結び、静岡県内の工事に向けて動き出しました(静岡県)。
ただ、7月21日の国土交通大臣の会見では、開業の見通しは「JR東海からは現時点で未定」とされています(国土交通省)。JR東海の社長は新しい開業時期を年内に示すとしていますが、2026年10月時点ではまだ発表されていません。
名古屋駅の地下では、リニアの駅の工事が5つの工区すべてで始まっています(名古屋市)。
駅前広場|東西で整備が進む
📌 名古屋駅の駅前広場(2026年10月時点)
東側(桜通口):2026年3月にデザイン計画を決定。ロータリーをつくり直して広場を広げ、タクシーと一般の車の場所を分ける。全体の使い始めは2033年度以降の予定
西側(太閤通口):アジア・アジアパラ競技大会に合わせた整備を2026年度に使い始める。歩道は約2mから約8mに広がる
名古屋市は2026年3月に「名古屋駅西地区まちづくり方針」もまとめ、駅の西側の街づくりの方向を示しました(名古屋市)。
暮らしへの影響
百貨店はなくなりましたが、旧本館にヨドバシカメラが入り、旧メンズ館の地下にはスーパーができる予定です。名古屋駅のすぐそばで、ふだんの食料品を買える場所が増えることになります。
一方で、駅前広場や地下の工事はこれからも段階的に続きます。通路や乗り場がときどき切り替わるので、毎日使う人は案内を確かめておくと安心です。駅の暮らしは「名古屋駅の住みやすさ」でくわしく紹介しています。
住まい選びで確かめること
名古屋駅の再開発は、決まっていることと未定のことが入りまじっています。宅建士の立場から、家を選ぶときに確かめておきたいことをまとめます。
住まい選びのチェックリスト
✅ 名鉄の再開発やリニアは「未定」の部分が多い。最新の発表を確かめる
✅ 「リニアができるから」だけで決めず、今の通勤と暮らしやすさで選ぶ
✅ 駅前広場など、工事が何年まで続くかを市のページで見ておく
✅ 窓の向きに、将来大きなビルが建つ余地があるかを地図で見ておく
✅ 重要事項説明で、近くの都市計画について説明を受けたら、気になる点はその場で聞く
まとめ|名古屋駅の再開発は「決まったこと」と「未定」を分けて見る

名鉄名古屋駅の上の大きな再開発は、2025年12月に延期と見直しが決まり、着工も完成も未定になりました。名鉄百貨店本店は閉店し、建物にはヨドバシカメラやスーパーが入ります。
リニアの開業時期はまだ発表されていませんが、名古屋市は東西の駅前広場の整備を進めています。
家を選ぶときは、決まっていることと未定のことを分けて、今の暮らしやすさで選ぶのが、いちばん確かな備えになります。